KOKESHI/こけし戦後

2018年04月08日

【夢三夜】黒澤明 映画『夢』より

桜花の終焉と時を同じくして、異邦人たちによる花の宴も酣(たけなわ)を迎えようとしていた。桜海の波間にたゆたひしは遥か太古の記憶。これは夢なのか、現(うつつ)なのか、境界はもはや瑣末な問題である。人々の祈りは春の風に吹かれ、やがて遥か宇宙の静寂へ消えてゆく...
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出逢いと別れ、人生と運命、偶然と必然、時にそれは月並みな言葉で表現される。しかしそれは途切れることなく連綿と繋がる連続性ではなく断続した一瞬一瞬が無限に積み重なった総体である。

チヨゴロー「おい純よ、涙を拭いて前に進め!不条理なこの世界をただ前進するのだ。ふりむくな、ふりむくな、お前のうしろには夢はない!」

さようならあなた。忘れられぬあなた。最後にふたりを包んだのは花びらの桜雨。私の言いかけた言葉も 頬をこぼれる涙も 全ては季節の雨に流されてゆく...

その夜、私はこんな夢を見た。

#小椋千代五郎 #雑系 #雑系こけし

jetlink_roki at 16:29|Permalink

2018年02月21日

拝啓、愛しきあなたへ

拝啓、愛しきあなたへ。
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その後お変わりありませんか。こちらは未だ寒い日が続きますが、晴れた日中にはやがて訪れる春の息吹きを感じさせられます。
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先日、いつも通る雑木林にぽつんと落ちた一輪の花を見つけました。淡い桃色をしたこの花は乙女椿という美しい名前で、いつか儚く消えてしまったあなたに似ているような気がしました。

グッバイマイラブ 二人の恋が
グッバイマイラブ 真実ならば
いつかは逢える これが本当の
さよならじゃないの

#荒川洋一 #たこ坊主 #今晃 #こけし #kokeshi


jetlink_roki at 15:53|Permalink

2018年01月31日

津軽こけしとりんごの帽子/今晃

「MINGEI JETLINK/ジェットリンクの民芸」トークショーが無事に終了しました。途中参加も含め定員20人超えのお客さんにご来場いただきました感謝!
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本日はいつもの大学学食でランチしました。トークショー終わりに会場のDECOLA.で購入したこけしの帽子は「りんご=津軽」のイメージで今晃さんのこけしにピッタリでした。ぜひチェックしてみてください。
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本日のランチメニュー550円です。実家の母から送られた梅干を持参して、健康に良いと聞いたのでブロッコリー多めです(笑)

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次回は、夏頃に「こけしと七夕の夕べ~納涼こけしトーク」(仮)を予定してますので、今回逃してしまった方もぜひ遊びに来てください。


jetlink_roki at 15:27|Permalink

2018年01月28日

「東京下町の風景とこけし⑩」スイーツパラダイス/佐藤英太郎

スイーツパラダイス上野店にて。
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上品な甘さと口解けの良さが特徴の北海道産生クリームを使用した苺ショートケーキには、かつて甘美派こけしの代表格と呼ばれた祖父佐藤直助の意匠を継承した佐藤英太郎 こけしの木目模様が色鮮やかに調和する。左20歳作、右19歳作。

遠刈田新地における周治郎系列の代表的工人であった佐藤直助が明治23年に考案した木目模様は通常の二倍手間がかかるため特別製として扱われた。やや角ばった大頭、三日月眉に切れ長の目、すっと通った鼻筋、若々しく生命力に溢れる筆勢で描かれた溌剌とした表情は鋭さの中に気品を感じさせられる。

「美しいものが没落する時間にも針は進む」 深沢要
そして、時計の針は過去から現在へ。19歳の呪縛から解放され心身共に充実した印象が伺える佐藤英太郎氏の現在。その運筆の勢いは衰えを知らず力強くなお以て洗練されており、遠刈田温泉の工房「木目」を訪れるこけし愛好家たちを驚かせている。
※この記事は、『こけし手帖』平成30年1月号(684号)「東京下町の風景とこけし」に加筆したものです。

jetlink_roki at 13:46|Permalink

2018年01月20日

「東京下町の風景とこけし③」東京スカイツリー/斎藤弘道

天を見上げれば無限の宇宙。
かつて土湯木地業の中心的存在だった佐久間浅之助が修行中の息子米吉に「土湯こけしのロクロ模様は”センダン巻”だ」...と語った逸話がある。(※千段巻=刀や槍の柄を籐などで巻いて漆で塗り固めたもの)
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一般に土湯こけしは小寸が良しとされるが、佐久間粂松の尺物など大寸にも佳品が多い。写真は「33年弘道」と呼ばれる昭和33年7月作の斉藤弘道(1930~)こけし1尺。祖父・斎藤太治郎の晩年作というよりも、師匠・佐藤正一に近い表情は若々しくも濃厚な情味を再現している。土湯のこけしは、天に向かって伸びる千段巻。東京下町に天高く聳え立つスカイツリーに渾然と調和する。
※この記事は、『こけし手帖』平成30年1月号(684号)「東京下町の風景とこけし」に加筆したものです。

jetlink_roki at 14:39|Permalink

2018年01月19日

「東京下町の風景とこけし②」夜の浅草浅草寺/遊佐民之助

夜の浅草観音こと、浅草寺にて。
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かの手塚治虫先生も愛した昭和21年創業の喫茶店アンヂェラスでキラキラと輝く宝石のように美しい名物フルーツポンチを味わった後は、近年ライトアップされた雷門で有名な浅草寺の仲見世通りへ。昼の混雑から解放された参道を悠々と闊歩。
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遊佐民之助(1889~1953)こけしは、昭和27年作。戦後の民之助こけしは、昭和26~28年の3年間のみ製作。一般に遊佐民之助こけしといえば、第三期と呼ばれるこの時代のものが大半である。面描の各パーツが中央に寄った古風で可愛らしい表情。戦前作は戦後作の逆で顔パーツが全体に広がる珍しい退行型パターン。鳴子系幸八系列の様式に習い、前髪の後に三本の髪結いが描かれる。民之助こけしの様式は、小松五平、高橋寅蔵など鳴子系金太郎系列工人に影響を与えたともいわれる。
※この記事は、『こけし手帖』平成30年1月号(684号)「東京下町の風景とこけし」に加筆したものです。

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2017年12月31日

過ぎ行く年と来たる年、地震鎮静の願い~今晃さんの木地玩具

過ぎ行く年と来たる年には、家族で紅白を観ながらこの一年に思いを馳せる人、こうしている今現在も悲しみの中にいる人、遍く人たちに平等に新たな一年が訪れようとしています。
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地震鎮静の願い...2011年3月11日の震災以降に秋田県大館市の今晃さんが製作した木地玩具には、干支の兎を抱いた金太郎が「地震の象徴=ナマズ」を鎮めている様子が描かれています。嶽時代の今さんが病気の体を押しながら地震鎮静の強い願いを込めて製作したものです。
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今年の買い納めは、今晃さんの古いえじこでした。鳴子修行時代より以前、奈良靖規氏の木工場で働いていた秋田修行時代~長谷川辰雄氏の弟子時代頃に製作されたもの。署名は楷書体の「今晃」。新品に近い保存状態です。今年を締め括る良い買い物でした。

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この度、「MINGEI JETLINK/ジェットリンクの民芸」ブログを始めました。どうぞ宜しくお願いいたします。2018年は悲嘆に暮れる人々の心が少しでも和らいで、誰もが幸せで健康な一年でありますように。

jetlink_roki at 14:07|Permalink