「東京下町の風景とこけし②」夜の浅草浅草寺/遊佐民之助「東京下町の風景とこけし④」錦糸町喫茶店トミィ/渡辺幸九郎

2018年01月20日

「東京下町の風景とこけし③」東京スカイツリー/斎藤弘道

天を見上げれば無限の宇宙。
かつて土湯木地業の中心的存在だった佐久間浅之助が修行中の息子米吉に「土湯こけしのロクロ模様は”センダン巻”だ」...と語った逸話がある。(※千段巻=刀や槍の柄を籐などで巻いて漆で塗り固めたもの)
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一般に土湯こけしは小寸が良しとされるが、佐久間粂松の尺物など大寸にも佳品が多い。写真は「33年弘道」と呼ばれる昭和33年7月作の斉藤弘道(1930~)こけし1尺。祖父・斎藤太治郎の晩年作というよりも、師匠・佐藤正一に近い表情は若々しくも濃厚な情味を再現している。土湯のこけしは、天に向かって伸びる千段巻。東京下町に天高く聳え立つスカイツリーに渾然と調和する。
※この記事は、『こけし手帖』平成30年1月号(684号)「東京下町の風景とこけし」に加筆したものです。

jetlink_roki at 14:39│KOKESHI/こけし戦後 
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