【夢一夜】黒澤明 映画『夢』より【夢三夜】黒澤明 映画『夢』より

2018年04月01日

【夢ニ夜】黒澤明 映画『夢』より

この週末は、仕事場のこけし棚で暇を持て余していたチヨゴローたちを連れ出して、近くにある桜の名所を訪れてみた。そこでは儚く散りゆく桜の海を舞台に異邦人たちによる密かな花の宴が始まろうとしていた。
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「それは焼けるような太陽の光のせいだ」カミュは自著小説『異邦人』において人間の存在になんらかの意味を付与しようとすることを強く拒絶した。我々はあらゆる場面で"合理的な意味"を求めるが、それに相反してこの世界では"不条理"が常である。それはカミュの思想の根幹をなす部分でもある。『旧約聖書』における異邦人とはユダヤ人以外の非ユダヤ人、即ちキリスト教徒を指している。

チヨゴロー「おい純よ!たしかにこの世の中は不条理や理不尽で満たされている。しかしながら生きるのだ。筋も道理も立たないこの世界をただ粛々と生きるのだ!」

子供たちが空に向かい 両手をひろげ
鳥や雲や夢までも つかもうとしている

過去に福島の土湯温泉を襲った洪水の受難はパプテズマ(洗礼)の象徴である。幾度の受難を乗り越えて土から湯の力湧き出る大地は新生する。そして、土湯のこけしに描かれたロクロ模様は遥か神の国まで上昇する”千段巻き”。どの系統にも分類されず雑系と呼ばれたこけしたちは、かつてユダヤ人に迫害されたナザレの異邦人を連想させる...

その夜、私はこんな夢を見た。

jetlink_roki at 16:25│今晃コレクション 
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